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お葬式辞典

6 遺言

遺言とは

「遺言」は通常「ゆいごん」と読みますが、法律的には「いごん」と言います。
自らの財産などを、自らの死後どうするかについて、生前定めておくことを言います。

遺言書の意義について

遺言によって相続が行われるのが本来であって、遺言がない場合には被相続人の意思が分かりませんから、被相続人の意思を推測し、止むを得ず法定相続に従う、と考えるべきものです。

財産の有無、相続税やトラブルの有無にかかわらず遺言は必要で、すべての人は遺言によって自分の財産の処分をすることが民法によって保証されます。


以下の場合では遺言が必要になります。

・子供がなく、配偶者と親か兄弟姉妹が相続人となる場合。
・先妻の子供と後妻の子供がいる場合。
・子供の中で特別に財産を与えたい子がいる場合。
・相続権のない孫や兄弟姉妹に遺産を与えたい場合。
・子供の嫁に財産の一部を与えたい場合。
・内縁の妻や認知した子供がいる場合。
・同族会社や個人事業者で、後継者を指定しておきたい場合。
・生前世話になった第三者に遺産の一部を分け与えたい場合。


遺言の方式

遺言の方式には「普通方式」と「特別方式」があります。

「普通方式」には、自筆証書、公正言証書、秘密証書の3種類があります(民法第967条)。
「特別方式」は、普通方式の遺言がかなわない、特別な状況でなされる遺言で、死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言、の4種類があります(第976~979条)。
これら以外の方式によるものは遺言として認められません。


普通の遺言

①自筆証書遺言

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自筆し・印鑑を押したもので、追加、削除、変更の方式も定められています(民法第968条)。特別な費用もかからず、最も簡単な方式ですが、法律の専門家でない場合には、不備や不完全である心配もあります。実際、遺言の効力や本人の直筆かどうかが裁判で争われることもあリ、確実性の点で問題があります。
自筆が条件ですカ'ら、ワープロで書かれたものや、コピーは無効とされます。また、自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所による検認を受ける必要があります。また、封印のある場合は家庭裁判所で開封する必要があります(民法第1004条)。

②公正証書遺言

最も安全、確実な遺言の方式です。公証人が遺言者の口述に基づき公正証書として作成するものです。証人2人以上の立ち会いが必要です(民法第969条)。公証人に支払う手数料が必要ですが、専門家が作成するので無効の惧れがなく、原本が公証人役場に保管され、家庭裁判所の検認の必要もありません。

③秘密証書遺言

公正証書遺言は公証人、証人の前で遺言内容を明らかにするものですが、秘密証書は・遺言内容は秘密にしたまま、その封印したものを公証人、2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを証明してもらうものです。(民法970条)。