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臨終には、死者の唇を濡らす程度に末期の水を。
医師に「ご臨終です」と宣言された後、死者への最後のいたわりとしてその唇に水を含ませる水を末期の水、または死水といいます。これは、釈尊が入滅される直前に水を求められた時、雪山に住んでいた鬼神が鉢に浄水を盛って捧げたという故事からきたものとされています。死に至る病気と闘いながらまず何よりも欲しいのは水だということでしょう。血縁の濃い者から順に、割り箸に脱脂綿を巻いたものに水をつけ、唇を少し濡らします。"死水を取る"ことは、臨終まで介抱することであり、もう一度よみがえるようにとの願いとともに、肉親に見とられて最後の時を迎えたいという死者の願いが秘められているといえるでしょう。